今回は便秘と下痢について話そうとしましたが、なかなかボリューミーになったので2部構成で西洋医学的な便秘についてお話しします。
目次
1.便秘について
2.乳幼児の便秘について
3.便秘の種類
4.便秘をきたす疾患
1.便秘について
便秘とは3〜4日以上に一回のペースで出る排便で、しかも便が極端に固く、細切れであったり、大きかったり、便の先端が固い場合をいいます。
2.乳幼児の便秘について
ちなみに排便習慣の習得途上にある乳幼児においては、便回数のみで「この子便秘だ!」っとするのは早計です。
乳幼児の便秘は、便回数のみでなく、むしろ同時に存在する症状(便の性状、排便困難症の有無、便に血が混じっていないか、腸の動き、腹部膨満感の有無)に気をつけるべきです。
乳幼児の便秘の原因分類として
①腸内容が少なくて固い、直腸が細く、十分に肛門括約筋が緩まないなどの生理的な障害。
②直腸の内容物を押し出すのに必要な力がない。
③排便に必要な反射障害。
④直腸肛門への感受性の消失。
です。
①は、哺乳量の減少、幽門狭窄症などによる嘔吐性疾患、体温上昇に必要な水分を与えられていない時、人工乳の濃度を濃くした場合などがあります。
②は。ヒルシュスプリング病があります。
これは、腸管壁の神経細胞が先天的に欠損しているため起こります。その他、2次的な原因による腸排出力の不足としては、感染による中毒症や甲状腺機能低下症があります。
③は、腸以外の神経異常があった場合で、例えば脊髄性麻痺などがあげられます。
④は、排便したいと感じる感覚が鈍感となり、極端に大量の便により反射が起こるという場合、いわゆる女性に多い慢性便秘や心因性便秘症がこれに入ります。
次回は便秘の続きを書いていきます。
よろしくお願いします。