排便と排尿

排便、排尿には反射と高位中枢(脳)の調節が関与しています。

刺激があってその刺激を受け入れる受容器があって、その受容器から興奮を発し、興奮を伝える経路(求心性繊維)を通り中枢まで達し、中枢から発した興奮を伝える経路(求心性繊維)を通り、効果器(効果を表す容器、筋肉など)に反応を起こさせることを反射と言うのですが、反射の中には抑制したり、増強したりする調節が可能なものがあり、この調節は大脳皮質や脳幹などが司っています。

ただし、これらの反射の調節は生まれ持ったものではなく、生まれてから獲得していきます。

排尿・排便も、このような反射と高位中枢からの調節を受けています。

私たち鍼灸師は特にこの排尿・排便の状態により自律神経の状態、身体の中の状態などを推し量り、現在あらわれている症状(肩こりや腰痛など)を総合的に判断し、施術していきます。

下の表はざっくりではありますが排尿と排便についてまとめました。

腰椎・仙骨あたりから出る神経が主に排尿・排便に関わりますのでお尻を温める・ストレッチをするなどして養生するのもいいかもしれません。

次回は、排便反射について書いていこうと思います。

排便排尿
受容器直腸粘膜膀胱粘膜
求心性繊維骨盤神経、陰部神経骨盤神経、下腹神経、陰部神経
中枢腰髄〜仙髄(第2〜3腰髄)腰髄〜仙髄
遠心性繊維骨盤神経(副交感神経)陰部神経など骨盤神経(副交感神経)下腹神経(交感神経)など
効果器肛門括約筋、肛門挙筋、腹筋、横隔膜など膀胱括約筋、膀胱など
高位中枢大脳皮質、視床下部、延髄大脳皮質、脳幹、視床下部、延髄など

とある患者さんの症状

最近、コロナワクチン接種後の患者さんを何人か診させていただいたのですが、その中でも特徴的な身体症状がある方がおられました。

その方は左肩(コロナワクチン接種側)の肩こり・強い頭痛を訴えてきました。

正確には左の側頸部から肩関節にかけて腫脹し静脈が浮き出て斜角筋群辺りが緊張するという形で腕にも軽い痺れがありました。

先ず、鍼治療を行い全体的な身体の緊張は取れましたが、前述の肩の腫れと緊張は大きく変化がありませんでした。

そこで、局所的に腫れがひくように鍼を刺しましたが半分程度しか腫れは減らなかったのですが、患者さん本人は肩こりも頭痛もほとんど感じないとのことで、局所への刺激が多くなってしまった事もあり「おそらく翌日左肩がしんどくなるかもしれませんが調子悪くなったらすぐにご連絡してください。」と伝えて帰っていただきました。

その後、翌日はかなりダルくなったが翌々日はかなり身体が楽になりその後も調子が良いです。という報告してくれましたが、その肩はやはり腫れておりワクチンの副反応の根深さを感じました。

これから打つ方、打った後のしんどさが今も残る方いつでもご相談ください。

お待ちしております。

泣き声に特徴のある疾患について

こんにちは!

下北です。

この度は、泣き声に特徴のある疾患について紹介したいと思います。

神経疾患と泣き声は密接な関係があり、特に新生児重症仮死や核黄疸には「頭性の叫び」が聞かれます。

また、先天異常児の泣き声にも特有な泣き声が聞かれ、泣き声だけでも診断の決め手になることがあるそうです。

1、脳障害児の泣き声

1−1新生児仮死

分娩中に起こる無酸素症を新生児仮死と称します。

脳障害が疑われる新生児に顕著な痙攣・硬直・不安・チアノーゼ発作などの症状を認めなくても泣き声に甲高い「頭性の叫び」が聞かれる時は強く脳障害の可能性があります。

1−2核黄疸児の泣き声

核黄疸の主要な初期症状として「甲高い泣き声」があります。

他の症状としては筋緊張の低下、傾眠、吸啜反射の減弱などがありますが、特異的ではありません。

それだけに早期診断が子供の予後を左右してきますので、気になる方は近くの病院へ受診してください。

1−3その他の脳障害児の泣き声

頭蓋内出血・新生児低血糖・新生児髄膜炎などにも「頭性の叫び」を聞くことがあります。

明らかに脳障害が疑われながら顕著な症状がないものが全体の15〜30%に見られることから、泣くハイピッチあるいは低音で激しい上に多い、または全く欠如した泣き方の時は注意深く観察するべきと言われております。

2先天異常の泣き声

先天異常児の泣き声は正常児の泣き声より低ピッチな群と高ピッチな群に分けると前者はコルネリア・デ・ランゲ症候群、クレチン病などが、後者は猫鳴き症候群、18トリソミー症候群、ダウン症などがあります。

2−1コルネリア・デ・ランゲ症候群

道化師様顔貌ともいわれ、毛むくじゃらの顔が特徴です。

染色体異常によって起こる疾患ではないが、単一遺伝子の突然変異が想定されています。

泣き声も特徴的で、単調で弱々しい絞り出すような唸り声です。

2−2クレチン病(先天性甲状腺機能低下症)

生まれつき甲状腺機能低下のため放置すると知能障害や発育障害の原因となります。

クレチン様顔貌は、巨大舌、眼裂離解、鞍鼻が特徴で、生直後は不活発・哺乳力不良・腹部緊張低下などの症状があり、泣き声は弱くしゃがれたどら声が聞こえます。

2−3猫鳴き症候群

子猫の鳴くような音色の高い泣き声が特徴的で、それ自体が診断の基準となります。

泣き声は、か細く子猫が鳴くようであり洗練されたソプラノ歌手の声のように高く整った声が聞かれます。

顔つきは丸顔で加齢とともに逆三角となります。

その他は眼間開離、眼裂斜下、内眼角賛皮、斜視があります。

年齢とともに泣き声の特徴も変化が見られ消失していきます。

2−4 18トリソミー症候群

症状は顕著な心身の発育障害をきたし、指の異常や小顎症がみられます。

泣き声は消え入りそうなか細く単調で平坦なメロディーが聞かれ、鳴く回数が少ない、または全く泣かない特徴があります。

2−5ダウン症

巨大舌のため口を開け舌をペロペロ出していることが多いです。

泣き声は生直後は筋力低下により弱々しく、嗄れて平坦なメロディーだが次第に変化が見られるようになるようです。

乳幼児の泣き声について

人の誕生は多くはうぶ声から始まりますが、月日がたつにつれ泣き声の音の高低、リズムや持続時間などに変化がみられ複雑な泣き方をする様になります。

うぶ声に対する話は割愛しますが、新生児期に泣く原因としてもっとも多いのは空腹と寂しさだと言われています。

時に、母親が繊維性の食物を多く食べ母乳中に分泌されたため、乳児が腸のガスコリック(コリック=黄昏泣き・はっきりした原因は不明だが、消化器官が未発達などの原因でガスが溜まる状態)のため授乳中にひどく泣くことがあります。

ひどく暑すぎたりまたは寒すぎたり、おしめが濡れていたり痒かったり、吐き気を催すような悪臭や味覚にも泣き出すこともあります。

生後1〜2ヶ月になると単調な泣き方から声のリズム・高さ・音色などに変化が見られ号泣時間も2〜3病と持続していき、以前のような全身を振り絞った泣き方ではなく、滑らかで柔らかい声が聞こえるようになってきます。

これは発声に関わる咽頭や呼吸器官が発達したためです。

生後5〜6ヶ月になると周囲に向かって反応しながら感情や情緒の表現として泣き声を上げる様になり、泣き方も音の高低や強さの大小がみられ、また途切れ途切れに断続して泣いたりします。

これは単に発声器官が発達しただけではなく、外界からの刺激に対して、十分に反応する脳の機能が発達してきたことを示すものです。

生後6ヶ月以降は自我と人格の発達の過程で泣くことが多くなります。

原因となる刺激は増しますが、反対に泣く回数は以前より減ってきます。

それは原因があっても長い間泣くことを我慢できるからですが、この時期に激しい泣き方をするときは親の取扱いが不適当であると考えられ、親のユーモア溢れる「いないないばぁ」などの対応により泣く回数が減ると言われています。

また泣き声の高さ・持続時間・メロディ(泣く音程)によって痛みと空腹を聞き分けるといった実験も行われ、ご興味のある方は参考にしていただければ幸いです。

生後1〜7ヶ月持続時間高さメロディー(上昇〜下降)メロディー(上昇)メロディー(平坦)
痛み2.7±1.1秒530±80Hz18%77%3%
空腹1.2±0.6秒500±70Hz81%4%1%

次回は泣き声に特徴のある疾患をまとめていきます。

誕生日

昨日、9月7日は私、下北の誕生日でした。

家族を始め35年間生きてきた間で出来た友達、お世話になった方々、私の誕生日をご存知の患者さんとたくさんの方からお祝いしていただきました。

ここまで生きてこれたのも皆様のおかげです。

今後も真面目に頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。

東洋医学講座

毎月第一・第三土曜日(長野式福岡セミナーがある時は第三が第四土曜日になりますが)に難解な東洋医学の世界をイメージして理解を深めることを目的にとむ鍼灸院内で行っております。

この度は、五臓(身体の中の状態)のまとめを行いました。

次回からは、その身体を悪くする原因などを講義していきます。

ご興味のある方は是非05010428469またはtom89minoh@gmail.comまでご連絡ください。

モンキーレンチさんへ

とむ鍼灸院から徒歩5分ほどのところにあるモンキーレンチさんへピラフを食べに行きました。

ここのピラフはとあるお店の秘伝のレシピを受け継いだようで遠方からのファンもいらっしゃるようです。

タコスも絶品でした!

ご興味のある方はぜひ一度お立ち寄りください。

換気機能付きのエアコンがつきました

ついに当院にダイキンのうるさらXを導入出来ました!

換気機能がついたおかげで空気の滞留しやすい施術室の空気を綺麗にすることが出来ました。

これでコロナウイルス対策もより万全となり安心してご来院していただける空間になりました。

長期にわたるコロナウイルス対策で疲れた心と身体を是非当院で癒やさせてください!

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